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鋭い剣尖が鼻先を掠める。少しピリッとした痛みが走る。
二撃目の剣撃が左斜め上から迫る。俺は右手に握った片手用の両刃直剣を渾身の力を込めて右斜め下から地面スレスレで振り上げる。
相手剣士の片手用の片刃直剣に衝突し耳をつんざくような金属音が高々と鳴る。剣と剣の接触面に一瞬火花が散る。
一瞬の衝突の後、俺の剣は相手の剣を高々と弾き飛ばす。
相手の剣士は驚愕の表情を浮かべる。まさか弾き飛ばされるとは思ってもみなかったのだろう。
弾き飛ばした剣を視界の端に捉えながら俺はガラ空きの懐に潜り込み左肩からの体当たりを仕掛ける。
体当たりを受けた相手の剣士は後ろに倒れる。受け身の取れなかった相手は苦悶の表情を浮かべる。
俺はその一瞬の隙を見逃さず切っ先を相手剣士の喉元に突き付ける。
十メートルほど離れた場所で繰り広げられていた霊魂【スピリット】同士の戦闘。
俺のスピリットは俺が喉元に切っ先を突き付けるのと同時に相手スピリットを上段斬りで斬り伏せた。
「そこまでっ!!」
審判であるランク【87596】位の剣士が戦闘終了の声を発する。
「勝者、リューマ・ガラハッド・ペンドラゴン。勝者にランク【79436】位が与えられる」
今この瞬間から、俺は戦剣機構に所属する剣士となった。
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