《 二 》

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声の主は、尾沢雄一[おざわ ゆういち]。 性格は横柄で自己中心的、特徴のオールバックに鋭い目つきが周囲の者を萎縮させる。 裏社会との繋がり、財界との癒着、賄賂接収が噂される、政治家の黒い部分を凝縮したような人物だ。 御堂が尾沢の問いに答える。 「それは……」 「多分無理です。そうですよね? 御堂さん」 御堂の返事を藤川が勝手に引き継ぐ。 「小僧、お前には聞いてない! しゃしゃり出てくるな。御堂、どうなんだ?」 尾沢が張りのある重低音を響かせ、睨みつける。 「藤川君が言った通り、多分無理です」 御堂は弱々しく言う。 別に萎縮したわけではなく、尾沢が次に何を言うか予想できたから。
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