《 二 》

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「何? 無理だと? じゃあ、その薬は何の為に開発した? 大山の……さんの言うように化け物を作る為か? 折角、お前の意見に賛成してやったのに、これじゃあ俺も反対の立場に回るしかないな」 尾沢は御堂が思った通り、反対の立場に回ると言い始める。 当初から御堂の意見に賛成していたのは尾沢だけだった。 他の者達は反対、若しくは薬開発の成功に半信半疑といった感じだった。 それでも薬開発に踏み切れたのは、尾沢が賛成したからだった。 何故、尾沢が賛成したかと言えば、そこに金の匂いを嗅ぎ取ったからだろうと御堂は考えていた。 しかし、尾沢の目的が金だとしても、強引にでも事を進める力が必要だった。 そして、尾沢は見事にその役割を果たした。
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