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藤川が余計な質問をしなければ尾沢本人が薬を飲むかどうかは別にして、何の疑いもなく賛成を貫き通していた筈なのに。
余計なことを……。
嘘をついたところで、また藤川が口を出すだろう。
そう思い、御堂は正直に自分の考えを述べた。
「今の環境状態、現状を保っていれば、この薬は十分な効果を発揮し、何不自由なく生きていけます。但し、今より悪い状態になれば、生物そのものが生きられるような環境ではなくなる可能性が大いに有ります。それどころか、地球そのものがある日突然、崩壊、霧散してしまうかもしれません。あくまで、予想でしかありませんが」
「……はっ! 馬鹿らしい。お前はSF映画か何かの見過ぎじゃないのか?」
尾沢は全く信じず、ただ呆れ、御堂を馬鹿にした。
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