《 二 》

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畑山は、誠実、温厚、実直と絵に描いたような好人物という印象を多くの国民に持たれている。 同時に人柄は良いのだが、押しが弱い所があり、急先鋒にはなれず、二番手、縁の下の力持ちという印象も持たれている。 実際、片腕として御堂の補佐をしている。 その畑山が声を荒げる。 「藤川君、何を言っている!? 総理がそんな人を人とも思わぬ考えを持っているはずがないだろう! 総理は人々、他国、世界を含める人間全てを救う為に薬を開発したんだ! そうですよね総理?」 肯定の言葉を期待して、乞うような眼で畑山が御堂を見る。 藤川はそんな畑山を見下すように、冷ややかな視線を送っていた。
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