《 二 》

22/26
前へ
/121ページ
次へ
「総理!? そんな……」 畑山は絶句し、頭を抱え、うなだれる。 「御堂さん、気にすることはない。あなたの判断は正しいんですよ。副作用があるとはいえ、奇跡のような薬を開発し、生き抜くために淘汰する。それを理解できない、聖人君子の如き、理想論を信じる愚か者など捨て置くべきです」 藤川が畑山を一瞥する。 それを見た大山が失笑する……が、そんな大山に対しても、藤川は悪態を吐く。 「気にするような外見でもないくせに、薬を否定する老いぼれのクソ爺など放っておけばいい」 「……っ、くそ餓鬼!」 大山が鬼の形相で、藤川に目を剥く。
/121ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加