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「別にあんたの名前なんか言ってないんじゃないですか? それとも自覚があるんですか? 老いぼれのクソ爺だと」
大山を見て、尾沢が口角を歪める。
「尾沢……っ貴様!」
大山が怒りに身を震わせる。
「まずは生きる為にどうするべきかを考えなくてはならないのに、金、金、金。それしか頭に無い、政界の首領気取りの強欲なオールバック野郎など好きにさせておけばいいんですよ」
今度は尾沢が顔を朱に染め、修羅の形相で藤川に詰め寄る。
「小僧っ! なめた口、利いてんじゃねぇぞ。この野郎っ!」
ただでさえ鋭い眼光が怒りを帯びて、さらに凶悪な輝きを放つ。
「まるでヤクザのような物言いですね。尾沢さん」
そんな尾沢に全く臆することなく、他人事のように藤川は涼しい顔をしている。
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