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女が教室へ入った時、席は約半分ほど埋まっていた。
全員が席に着いているわけではないが、バッグが置かれていたり、机の上に教科書やノート、鏡や化粧品、携帯が置かれているのを見てそう判断した。
席に向かっていくと教室にいる全員の視線が女に注がれた。
他の生徒達と衣服が違うのだ。
男子のほとんどが上は袖無しか半袖のシャツ一枚、下はハーフパンツといった格好。
女子はさすがにシャツ一枚ということはなく様々だが、やはり上は袖無しか半袖がほとんどで、下は少しでも涼しくするためか、他に目的があるのかミニスカートだ。
とにかく、全員涼しげな格好だ。
昨日までは太陽が昇らず、一日中、空は雲で覆われ雪が降りしきっていた。
しかし、今日は朝方から太陽が昇り、昨日までの分を取り戻すかのように気温は急上昇し、馬鹿みたいに暑い。
そんな天気の中、厚手の手首まですっぽり覆う長袖を着ていれば当然、違和感を抱くだろう。
腕捲りでもしていればまだ良かったのだろうが……。
そんなことできるはずがなかった。
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