《 三 》

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女が通う学校にも教師、生徒達の中に異形はいた。 その姿を見ていたからこそ、女はカプセルに詰められた薬を飲むのを拒んでいたのだから。 クラスにも数名はいた筈だと女は記憶していた。 しかし今、クラスの中に異形は女自身ただ一人。 何故、他の者達はいないのだろうか? 女にはその理由が分からなかった。 向けられていた視線が徐々に棘を含む、嫌なものに変わっていくのを女は感じた。 この視線の意味は何なのか? 以前から異形はいた。 心の中でどう思っていたかは知らないが、こんなにはっきりと敵視していなかったはず……てきし? そうだ。 彼らは明らかに自分を敵視している。 でも一体、何故?
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