《 三 》

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御堂は軽い挨拶を終えると、一層険しい表情になる。 「今日は十回目の決起集会という区切りです。そこで、我々新人類がいかに優れていて、旧人類がいかに脆弱であるかを再認識するためのアトラクションを行いたいと思います。あちらにあるプレハブを使って」 御堂の視線があの奇妙なプレハブに向けられる。 プレハブの周りではスタッフ達が忙しなく動いている。 「今日は報道陣もたくさん集まっているようですし、絶好の機会ですね。旧人類共に我々の素晴らしさを見せつけてやりましょう!」 御堂は興奮したように声を荒らげるが、周りの新人類達は何が行われるのか要領を得られず曖昧な表情で同調する。
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