《 三 》

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御堂が話をしている間に、スタッフ達がプレハブの周囲と室内に大小様々な機械を次々と設置していく。 プレハブの天井にはスポットライトの様な機械がぶら下がり、床には用途不明の機械が置かれ、室外にも唸り音を響かせる箱が並んでいる。 「そろそろ準備が終わりそうですね」 御堂の声と同時に、唯一透明となっている壁から直視できないほどの眩い光が溢れ出し、周囲を照らす。 光に照らされた地面の雪はあっと言う間に溶けて水になり、地面を濡らしたかと思うとすぐに湯気を立てて蒸発する。 それが数分続くと、光に照らされた部分とその周辺だけ砂の地面が表れる。 光は次第に弱まり、プレハブの室内全体を見渡すのにちょうどいい明るさまで落ち着いた。
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