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真依は母と顔を合わせると、2人でそんな実依を笑った。 「おはよう。ご飯出来てるから食べなさい。」 母は、実依の食器を片付けながら言った。 「はぁーいっ。」 真依が返事をして椅子に座ると、バタバタと玄関へ向かう実依が見えた。 「行ってきまーす!!」 実依はそれだけ言うと、玄関を出て走って学校へ向かっていった。 「実依さ…元気になってよかったじゃん。」 真依は台所で洗い物をしている母に話しかけた。 「元気なふりをしてるだけよ。あの子は、優しい子だから…誰にも心配かけたくないのよ。」 母は一度手を止めて悲しそうに言った。 「そっか…。親友を亡くしたんだもんね。そんな、すぐには立ち直れないか…。」 真依は、重苦しい雰囲気のなか無言で朝食を食べ終えた。
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