春の思い出

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 少女の前へと座りしばらくが過ぎた頃、要約少女の目から流れていた涙も止まり、状況が落ち着いてきた。そしてワシはここぞとばかりに色々と質問をしてみることにした。 「にゃふ…(では…)」  ここから様々な事を聞き、少女の事を知れば知るほど目の前の[幽霊]━━━━ミヨと名乗る少女から感じていた、異様な気配も鳴りを潜めていった。  それと驚くべき事にミヨはワシの喋っていることがわかるらしい、いや…ここまでナチュラルに話が通じたために一切不思議と感じなかったが、良く良く考えると凄い事だ。賢治にも通じれば良いのに…。 「ミヨはね、ずっと昔から賢治とタマちゃんの事を見てたんだよ!本当はずっと前から話しかけてたんだけど…、誰も…声…エグッ…聞こえない…みたい…だったから…」  最初は笑顔で話していたミヨも、誰も相手してくれなかった頃をおもいだしたのか、そのクリっとした目元を再び潤ませ始めた。そしてまた、ワシは狼狽えながらもミヨを慰める事となった。   「そうか…、大体の事情はわかった。では、ワシは寝る」  ミヨがいつからここに居て、何故居るのかは本人がわからないと言っていたからわからないままだったが、ワシや賢治に害を成さない事だけはわかったので、元の位置に戻り再び惰眠を貪ろうと歩き出す。 「えっ?なんで?また寝るの?やだっ!やだよぉー、遊ぼぉーよぉー。折角話せるようになったんだよぉ?そうだ!隠れん坊しよ?ねっ?タマちゃんが鬼だよ」 が、そう言ってミヨはワシの後を着いてきながら駄々をこね始め、挙げ句の果てに勝手に隠れん坊を始めてしまった。しかもワシが鬼って…。
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