春の思い出

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「じゃあミヨが隠れるね。30数えてからだよ」  知らんがな。そう思い寝転がろうとしたのだが…、ミヨの嬉しそうな顔で駆けていく姿を見ると (ずっと寂しかったのか…) と思い、ゆっくりと30を数え始めた。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「あははっ、ホントにタマちゃんって隠れん坊下手だねぇ」  隠れん坊を続けること数時間、既に日も傾きつつあった。結果としては惨敗、それはもう見事に負けた。まぁ見つけれない、すぐに見つかるわで、勝負にならない。後に残ったのは疲労だけであった。て言うか、母君の遺影と同化は卑怯だろ。うん。  しかし敗北感と疲労感にうちひしがれているワシの横で 「でもでも、ミヨ楽しかったよ!ありがとータマちゃん♪」 と、満面の笑みで寝転がるミヨを見ると、この疲労感も悪くはないと思ってしまった。つくづくワシも甘いもんだ。
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