春の思い出

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 さて、ミヨも泣き止み賢治も帰ってきたし、そろそろご飯が食べたいんだが。そう思い至り、ミヨを連れて賢治が居るであろう台所へと向かった。 「びっくりするほ─────ピア!!」  ん?賢治が何か叫んでいる。まさかまたミヨが泣くような事を言っているのやもしれん。 「ミヨ…少しここでまってろ」  ミヨを台所へと続く廊下で待たせ、ひとりで台所へと入っていった。 「にゃー───(賢治、飯は────!!?)」 「タマはぁぁぁっ!俺がぁ守るんだぁぁぁっ!もう一回っ!」 パンパパン 「びっくりするほどっユートピアッ!びっくりするほどっ!ユートピアっ!びっくりするほど!ユートピヤァァァァァァァァァァッフゥゥゥッッ!!!」  ワシはこれほどまでに衝撃を受けたことはそうは無い。ワシが今見ているのはそれほどまでに衝撃的だった。    賢治が……裸で…白目で…奇声を発しながら、椅子を上り下りしていた…。 「ベッドがァァァァァなくてもぉぉぉ!愛でカヴァァァァァァー!びっくりするほどっユートピアッッ!!!」  なんだこれは…いったい賢治になに「ふえぇ…」──はっ!!  呆気にとられ賢治を見つめていると、いつの間にかミヨが泣きそうな顔でワシの尻尾を掴み、後ろに立って賢治を見つめていた。 「ミヨっ!これは「賢治がおかしくなったよぉ!やっぱり私を追い出したいんだぁ!うぇーーーーん!」 「にゃーーーーー!(けんじぃぃぃぃぁぁぁぁぁぁぁ!)」    この日も、こうしても一日が終わっていった。ミヨというちょっと泣き虫な仲間を一人追加して。
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