春の思い出

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-4月22日:日曜日-  花見の季節も過ぎ、桜の衣装も幻想的な桃色から健康的な緑色へと衣替えが完全に終わり、一年で最も過ごしやすい時期がやってきた。  そんな今日この頃、朝早くから珍しいことが起きた。 「ゆ~めを~い~まに~かえて~♪描ける~さっ、誰もっ、知らないっ、物語~♪」  いつもなら、ダラダラと起きては寝てを繰り返している賢治が、朝早くから起きていた。しかもかなりの上機嫌だ。 「微笑むき~みに、い~つぅかファーストキース♪ってかww」  鏡に向かい毛を櫛で整えている、今日はどこかお出かけでもするのだろうか。……またひとりでお留守番か。仕方ないことだが。  そうこうしている内に賢治の支度も終わり、いつものように母君の仏前へと座った。 「では…お母さん。あかりんとのデートにいってまいりますww息子のムスコが男になれるように、祈っててくださいwwwwよし、これでバッチリww後は…」  賢治は立ち上がり、玄関へと向かいつつポケットからケータイと呼んでいるもの取り出し、耳に当てた。 「………あっ、もしもしww?オレオレww俺、今からあかりんとデートなんだwwチームDTの皆には悪いけど、先にイってくるぜwwえっ?……うん、うん、……ヴォケwwもげろとか言うなwwおっとwwリア充は忙しいんだよwwてめぇらは俺のチンカスでも煎じて飲んでなwwひゃっはーww」 ピッ 「よし…タマ、行ってくるな。……俺、告白に成功したら…あかりんのおっぱい登ったり降りたりするんだ……するんだ…」  玄関でワシの頭を撫でながら、何となく不吉な予感をさせる言葉を残して、賢治は急ぎ足で家を飛び出した。  ハイテンション賢治がいなくなり、家に残されたのはワシと静寂のみ。……やることもないし…寝るか。  そう決めて、寝床の座布団へと向かい歩き出した。
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