奇妙な話屋さん

６

６。あまりにヒントとしては頼りない数字。いったいどんな話が始まるというのだろうか？

「不吉な数字と言えば、何が思いつく？」

微かに音を鳴らすのは、スチームヒーターと時計の秒針。明日は休日だと言う事でもう随分長居しているせいか、頭の回転が鈍くなっているが、これは

「１３、ですかね。１３日の金曜日とか、キリストを裏切った弟子、ユダが１３番目の弟子だったとか、そういう話はよく聞くので」

「まあ、ポピュラーな模範解答だ。今すぐドブに捨てて来い」

「酷っ」

「６割方、冗談だ」

普通、半分ではないだろうか？ と言うか、純度１００％混じり気無しの冗談であって欲しい。