話屋~Hanaya~

2/2
前へ
/63ページ
次へ
人は生きる為に働く。衣食住の三拍子が揃っていれば、何ら不自由はない。趣味も嗜好品もたしなまない僕は、金だけは余っていた。 メトロノームが鳴らす音の様に、常に一定で淀みがない淡白な日々。飽き飽きとしている。 そんな日々に抗おうとするも、僕にできることはいつも通りの帰路を変更し、狭い路地を通ることだけだった。 が、そんな中、ある一つの店を見つけた。 話屋~Hanaya~ そう書かれた看板の下に、階段が地下に降りている。なんとなく入ってみたその店は、僕の行き着けの店となった。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加