序章 古い歴史は立たなければならない

4/5
前へ
/15ページ
次へ
城内は大騒ぎだった、いったい何事なのかと思ってしまうぐらいではなかったが使用人たちがパタパタと走り回っている。どうしても気になったので前を歩く使用人に声をかけてみようとしたが、私の案内をしているのだから事情は知らないはずだ。仕事の邪魔をしてはいけないと思ったのでこの疑問は頭の片隅にでも置いておくことにしよう、どうせ後にわかることなのだから。 「ルウシス様つきました」 おびえた感じはまだ抜けきっておらずおどおどしながら目の前の扉を開けて中に案内してくれる、正直ここがどこの部屋の扉かはわからないが気にしないでおこう。どうせ後程わかることなのだから。 「ルウシスさん、お待ちしておりました」 部屋に入るとこの国の騎士団長であるカイ・リリーヴが出迎えてくれた。 「久々だなカイ」 ゆっくりと歩み寄り自然と握手を交わしニコリと笑う、久々に会ったのだからこれぐらいは普通である。しかし彼の表情はどこか浮かばない表情だ、彼自身あまりこういう表情はしないのだが何かあったに違いない、だがこんなことは誰でもわかることだ。 理由を聞いてみる前に周りを見渡してみると、豪華な絨毯が敷かれており鎧や剣など様々なものが置かれていた、そして極めつけは堂々と置かれた玉座だ。ここまでくればわかるがどうやらここはそういう部屋らしい。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加