第一章 大きな野望

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町はそこまで大きなものではなかったが、十分に寝泊まりできるしそこまで田舎ではない。 「ごっはんー♪ごっはんー♪」 「お客様ご注文はどうなされますか?」 「私このチャーハンていう食べ物がいい!」 王族というのは庶民的な食べ物や暮らしが嫌いというのがイメージだがこの子は違うらしい、実際まだ4歳なのでわからないのだとは思うが…いや5歳だったな。 現在二人で町でも少し大きめの飯屋に来ている、どうやらここの飯屋は他国からの食材や調理方法を取り入れて客に出しているらしい。この子が頼んだチャーハンという食べ物もその一つのようだ。 「ならパンをいただくよ」 かしこまりましたと注文を聞いたウエイトレスはゆっくりとカウンターの方に歩いていく。しかし今回の依頼について考えなければならない点が二つある。 一つは報酬の先払い、もしここで逃げ出せば報酬を手に入れたまま仕事をしないでいることができる。 二つ目は仕事の期限が無期限だということ、依頼主がこちらから声をかけるということにどうも納得がいかなかった。 しかしこの二つを除けば報酬のいい仕事だ、二カ月は遊んで暮らすことができるほどの大金を先払いで手に入れることができたのだ。 少し時間がたってウエイトレスが料理を運んでくるとこの子は上機嫌になる、王族といってもまだまだ子供で純粋だ。 私とこの子は挨拶をし食事をはじめ黙々と食べていった。
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