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それに対し大神は少し迷った様子で視線の先をやや上に向け、アゴに手を置く。
「そうだな…お前とも久々に再会して楽しかったし、たまには気晴らしにそういうので楽しむのも悪くないかもな」
「でしょ!参加費もいらないし、一緒に…」
「だが断る」
「………はい?」
その瞬間奈津美は耳を疑い、頭の中が一瞬真っ白になった。
「この天才大神が最も好きな事の一つは、特に断る理由が無くてもとりあえず"NO"と断ってやる事だ」
「……とりあえず、君が普段どんな本読んでるのかはわかった」
気を取り直し、奈津美はもう一度誘い直そうとすると、
「てか、なんで今時ファミレスに缶ジュースなんか置いてんだよ。普通ドリンクバーがあれば充分だろ」
「それは別にいいじゃん!」
「それとも、破産覚悟で缶ジュースでドリンクバーですか。バカなの?アホなの?死ぬの?」
「きっと単品用でわけてるんだよ!」
変にはぐらかされてしまい、話は中々先に進まない。
「缶ジュースだから勝手に飲んだらバレるんだよ。ドリンクバーだったら絶対にバレない」
「だから私は飲んでないって!」
そして、あまりにも茶化されるので、遂に奈津美は頬を膨らませながら怒りを露にし、
「もう知らない!!もう大神なんかじゃなくて、イケメンで優しくて誰よりも頭がいい赤羽会長と楽しんでくるから!」
すぐにノシノシと勢いよく先へ進む。
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