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すると、それに対し大神はピクッと反応し、
「"誰よりも頭いい"だァ?俺よりもか!」
「え……そうだよ!頭いいだけじゃなくて物凄い人格者なんだから!」
突然走り出し、奈津美の目前で立ち塞がる。
そうなるとどちらも引くに引けなくなってしまい、路頭にも関わらず激しい言い合いを始めてしまった。
変にプライドの高い大神は、自分よりも頭がいいと奈津美が豪語するその会長とやらに、激しくライバル意識を抱くようになった。
「わかった奈津美、俺も行く。行ってどっちが本当の天才かわからせてやる」
「あっそ、好きにすればー」
それに対し奈津美は、口では投げ遣り気味にそう言ってはいるが、内心は嬉しかった。
本来なら友達と行く筈だったのに、一度は一人かキャンセルか迷った末、最終的にはこうして無事大神を誘う事が出来、もうこの時から既に楽しみで楽しみで仕方なかった。
「そうと決まれば、来週の朝十時に駅前広場の噴水前で集合だよ。絶対に遅刻しちゃダメだからね!」
「わかった。俺がその男をぶっ倒すのを楽しみにしてろ」
「ぶっ倒さない!それじゃまたね」
そして二人はその場で別れ、奈津美はすぐに準備に取り掛かる。
一方で大神は、ふと腹の虫が鳴っている事に気付き、
「はぁ…先ずは飯」
すぐに近くの店を探し始める。
そしてそれから一週間が過ぎ、時は戻るー。
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