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「後は……九鬼一人だけか」
赤羽は頭数を数え、九鬼のみまだ姿を現さない事を悟ると、
「料理も冷めてしまうし…仕方ない、先に頂こう」
そう言って、九鬼を待たずに先に料理を頂く事にした。
皆が一斉にナイフとフォークを手に取る中、赤羽は懐から取り出した携帯で九鬼に電話を掛けるが、中々繋がらない。
それから暫くして諦め掛けた時、
「うわぁああぁぁぁぁっっ!!!」
「「…!!」」
突然何処からか夥しい奇声が聞こえ、皆が一斉に料理に手を付けるのを止めた。
「何、今の声?」
「誰かの悲鳴?」
一瞬静まり返った後、誰もが口々にそう漏らしていると、
「今のは九鬼の…!」
真っ先に赤羽が扉の外へ駆け出し、反射的に梶尾、稲葉、足立も続く。
「ちょっと大神!食べるのやめて!」
「ご…っ!」
奈津美も強引に大神の腕を引いてついて行き、更にそれに続くように佐藤と高橋も後を追った。
一方でその場に残った鰐渕、鈴木、藤原の三人はどうしていいかわからず、ただただ見送る。
真っ先に駆け出した赤羽は、地下へと続く扉が不自然に開いている事に気付き、すかさずそのまま地下へと向かう。
するとそこで、
「…!!!」
「どうしたんすか会長!」
突然赤羽は立ち竦む。
その後すぐに駆け付けた梶尾ら三人も同じように驚愕し、それから少し遅れてやってきた大神と奈津美も、その光景に驚きを隠せない。
最後に駆け付けた佐藤と高橋は、
「きゃあぁああぁぁぁぁ!!」
その光景に思わず悲鳴を上げた。
何故ならそこには、
「九鬼…!」
白目を剥いて微動だしない、九鬼の姿があった。
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