13人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
一方で鈴木は、
「うわぁああぁぁぁぁ!!」
酷く取り乱しながら何処かへと走り出してしまった。
その中で大神は、ただ一人冷静に頭の中で状況を整理していた。
『いつだ……こいつはいつ殺された……?』
そんな中、
「どうした、何があった!」
鈴木の悲鳴を聞き付け、すかさず赤羽と奈津美と藤原の三人がそこへ駆け付け、同じく驚きを隠せない様子だった。
そこで赤羽は、
「稲葉、足立っ!状況を詳しく話せ!!」
「は、はいっ!」
梶尾と共に部屋を出た三人の内二人に対しそう怒鳴るように尋ね、その二人はすぐに赤羽の側に駆け寄る。
一方で奈津美もすぐに大神の元へ駆け寄り、
「大神!」
「……」
すかさず名前を呼ぶが、それに対し大神はいつものように無表情のまま反応を示さない。
『誰だ……!』
大神が、一度奈津美に話し掛けて辞めた違和感……館の付近に自身が乗ってきたバス以外に足は無く、近くを通った形跡や気配も無い。
鈴木が見たネットニュースの発信時間から数え、最寄りの町からバスで三時間、徒歩や二輪車でこの時間までにこの地へ辿り着ける訳がない。
つまり、
『殺人鬼は、俺達と来た一行の中にいる……!』
大神はそう確信していた。
最初のコメントを投稿しよう!