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梶尾の遺体は、赤羽に指示されて鰐渕が倉庫から持ってきたブルーシートを被せ、皆はすぐに食堂へと戻る事に。
佐藤と高橋の二人は相変わらず各々の部屋に閉じ籠ったままであり、飛び出して行ってしまった鈴木は帰ってこない。
食堂に戻った赤羽はゆっくりと腰を下ろし、すぐに足立と稲葉から状況を詳しく尋ね、近くで大神もそれを聞いていた。
「……」
「大神、また何か違和感…?」
奈津美は恐る恐る大神にそう尋ねるが、それに対し大神は尚も無表情のまま返事を返さない。
しかしその頭の中では、冷静に状況を整理していた。
大神が最後に梶尾を見たのは、梶尾ら四人が食堂を出た、およそ21:00過ぎ頃。
それからの事は四人の話に寄ると、すぐに玄関付近で鈴木を見張りに置いて一服を始め、梶尾が一人でトイレに立ったのが大体21:30頃。
一方で、鰐渕が四人の様子を見てくると言って一人で食堂を出たのも、大神曰く21:30頃だった。
その後、鰐渕は暗闇の中で四人を探し、玄関辺りで梶尾を除く三人を見付けて合流したのが21:45分頃だった。
因みに、大神がトイレに立ったのは21:50頃だった。
「つまり梶尾が殺されたのは、九時半から五十分までの間…という事か」
赤羽は眼鏡の眉間を人差し指で上げながらそう纏めると、
「んじゃ、その時間にアリバイが無いのは…」
「…!」
そこで大神が、割って入るように口を開いた。
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