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その女性店員の名前は"楠奈津美(20)"、大神が三年前に中退した高校時代の同級生だった。
在学中は一・二を争う程仲良しだったのだが、大神が二年の秋頃に中退してからは一度も顔を合わせてなかった為、二人が再会するのは三年振りだった。
大神は席に着き、奈津美の仕事振りを観察していると、早速何かをやらかしたのか上司に叱られているようで、ペコペコと何度も頭を下げていた。
そして暫くして漸くそれも納まると、奈津美は急いで冷水の入ったグラスを大神の元へ運び、
「他にも待ってるお客さんがいるのに、知り合いだからって先に案内したら怒られちゃった」
"テヘッ"と言わんばかりにペロッと小さく舌を出し、冗談交じりにそう報告した。
「相変わらず、お前らしいいかにもって感じだな。だったらさっさと仕事に戻れよ」
「君も相変わらずだね。んじゃあさ、後で仕事終わったら久々にゆっくり話そうよ!」
そういうと、奈津美はすぐに仕事に戻った。
奈津美曰く今日のシフトは昼過ぎまでの予定で、後ほんの一時間と三十分程で終わるらしい。
それまで大神は、ドリンクバーをゆっくり楽しみながら待つ事にした。
その中で大神は、奈津美の仕事振りを楽しみながら眺める事に。
高校時代は、活動的な印象を受けるショートカットだったのに、今は長めのポニーテールで、少し大人っぽく印象が変わったのだが、外見はともかく内面は相変わらずのようだった。
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