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おれは一度、この広大な神御黒小の全景が見える位置で立ち止まって考えた。この校舎の中でちゃんとkuitと出会えるのか?お互い動くものを見つけたらそれが相手であることには疑いの余地が無い状況だが、なんとなしに仮にkuitの方がおれを見つけたとしても声をかけてくるようなことはない気がしていた。わざわざおれをこんなところに呼び出して自分から「よ、久しぶり。あ、面と向かって会うのは初めてだったっけな」では全くもってkuitのイメージに重ならない。もっと遊び心を持ちながら、おれを泳がせ、用意してある何かをおれに見せ、そして最後は迎え入れてくれる。そんな展開をおれは期待していた。
そうとなったらまずは探索だ。敷地内外を探索してまずはkuitのメッセージを探そうではないか。おれは張り切って、以前は正門を構成していたらしき2つの門柱の間を通って校舎へと向かった。
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