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誰もが見る夢を私達はDream Worldと呼び、
Soul Mateとして古き頃より縁を紡いできた
来た人達と一緒に、神の仕事を手伝っている。
そんな私達を神は天使と呼んだ。
*side:Mari*
「いつきても静かだ……」
夢の中、見上げれば夜空はプラネタリウムで見る様に
星は星座を描いていた。
観光地を連想させるレンガ造りの建物が並び、その中心には
噴水があって、ここに住む人達の今宵の場所とされる。
しかし今は人気が感じられぬ、静まり返った廃墟と
呼ぶにふさわしい場所を私は歩いている。
寝た時の服装がそのまま反映される為か髪はまだ湿って、
パジャマの裸足。
整備されている道でも足の裏は少しだけ痛みを感じた。
すっかり見慣れた町を抜けた場所に聳え立つのは誰が
建てかも分からぬ立派なお城。
頑丈な金属で組まれた門は不気味さを演出している。
いつからか手にしていた鍵を門に備わった鍵穴に入れて
ゆっくり回す。
キィィーーン
空からまばゆい光を受けて思わず視界を閉ざした。
ガチャン
ギィィーーッ
ガタン
光が消えて門が開く音が聞こえると、目を開け辺りを見渡す。
家や街灯、城の所々に光が灯り、まだ起きている人達の
話し声が心地好く、何処からかアコーディオン演奏が
聞こえてきてホッとする。
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