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今日も皆が無事だったと黙視をして門を潜り自室へと向かい、
辿り着くと、真っ先にクローゼットを開けた。
「これは昨日着たしな……」
こんなに沢山の服があるのに、良いなぁ~と手に取るのは
どれも似たり寄ったり色合い。出来るだけ違う服をと
思い真っ白いワンピースに身を包んだ。
食堂で朝御飯にしようと青いカーペットが敷かれた長い
廊下を歩く。
窓からはゆっくりと日が差し込んできて木々には鳥が
止まり歌っている。それに合わせるように鼻唄を奏でながら
突き当たりの部屋の扉を開けた。
直ぐ右に置かれてあるガラスケースに飾られたメニュー
サンプルを見ながら悩んでいると、
「おはようございます」
「おはよう」
隣に立ち、この城でシェフ長を勤める赤城一樹さんが
声をかけてくれた。
「本日はどれになさいますか?」
「お勧めはある?」
「お勧めですか……?そうですね……」
何やらブツブツ言いながら悩み始めた。
「本日は珍しく朝取れ立ての卵が大量に届きましたので……
オムレツか……定食か……タマゴサンド……でしょうか?」
「じゃタマゴサンドにとびきりのスペシャルを付けて頂戴」
「畏まりました」
礼儀正しく一礼し、厨房へ向かう一樹の後に続いて歩き
カウンターに座った。
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