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予想が正しければ、この山の半分はこのDream Worldに
ある規則を由紀が破った事への始末をつける為の物。
一応、それとなく嫌みを含んだつもりだったけど――
「これを一日で片付けるんだろ?本当に尊敬するよ~」
絶対に本人は気づいてない。
「書類以外で僕にできる事ある?」
「えっと、ちょっと待ってよ……」
私は皆のスケジュールを書き込んだ手帳を机から取り出した。
「本日の予定は、特にないかな……。
書類なら山ほどあるけど……」
「あぁ!!そうそう今日22時からリアルの仕事があるから、
ここにはあと2時間しかいられない」
こっちをちらっと見て子犬の様にクゥ~ンと鳴く。
ったく、由紀程の自由奔放で許される執事が他にも
いたならば、是非ともお会いしたいものだ。
「由紀君。君は少しでもマリ様のお手伝いする気は
ないのですか?」
突如口を開いた瑞季さんの眼鏡が心なしか光り、
背筋が冷たくなるのを感じる。
「書類じゃなくてさ、もっとprincesと楽しい事がしたいの!!」
「それじゃ、私の為にピアノでBGM頼めるかな?」
「はーい、了解しました。ご希望は?」
「チェリークォツの調べ」
「了解しました!!」
持ってきた書類を私に渡すと、ウキウキしながら窓辺に
駆け寄った。
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