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「ん?……やけに静かになったな、大人しくなったのか?」
ビバはテントから出るとそこには、まだ自由に走り回る馬と壊れた馬車、それ以外誰一人としていない、まるで消えたように。
「あいつら、馬を置いて逃げたのか?帰ってきたとき後悔させてやる」
ビバは暴れまわる馬にかけられたロープを引っ張り上げ、近くに引き寄せ馬の首を片手で掴み、その巨体で強引に地面に押さえつけた。
「暴れんじゃねえ、暴れ馬は一頭で十分だ、テメーは馬刺にでもしてやる」
腰のナイフを引き出して、暴れる馬の首めがけて振り下ろそうとしたその時、ビバの後頭部に石が当たった、それは一つだけでなくその後に続いて何度も当てられた。
「誰だ!この俺様に石を立て続けに投げるのは!!」
「さっさと抜け出しなさい」
ビバの押さえつけた手が緩み、その隙をつき前脚でビバを蹴り飛ばし、再び自由奔放に走りだした。
「もう容赦はしないぞ、誰だろうとこの剣で真っ二つにしてやる」
「それでいいの、じゃないと良質の糸が出来ない」
使い続けた剣を持ち上げ石を立て続けに投げた娘を見つけたビバ、そこにいたのは白髪に赤い眼、白い肌の対称に黒のドレス、というよりワンピースに近い服に赤色の筋が血管のように複数存在し、その筋が一定間隔で鼓動しているように見える。
「テメーは誰だ?ふざけた服装に小さなお嬢さん、よければ墓に名前を刻むために教えてくれるかな、まぁ……テメーは俺様に石ぶつけた罪で火葬決定だ!!燃えやすいように半分半分にしてやる!」
「上等、さっきの賊はどれも不良品…あんただったら良質の糸が手に入りそう……、私はオート・フレデリック・クチュール、代々伝わるクチュール裁縫術で数々の服を作り上げたいわゆる名家のお嬢さま」
「ほうほう、そのお嬢さまが賊退治かたいそうご立派で、その名家の新しい遊び相手にこの俺様では強すぎるのでは?」
吐き捨てる感じで。
「余裕」
その一言で怒りが声となり大噴火。
「なめんな!!この小娘が!!」
ビバの巨大なサーベルがクチュールめがけて振り下ろされたが、その一撃を回避、深く地面に突き刺さる。
「始めましょう、その小娘に倒された時までその怒り、保ってよ」
「生死をかけた闘いに冷静はいらない、それ以上の怒りで貴様を切り刻んでやる」
深く刺さった剣を両手で抜き、構える、そしてクチュールの発言で戦闘が開始した。
「あなたの血の色は何色?」
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