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そんな村に一つの馬車が村に向かっていた。
馬車は2頭の馬が引っ張り、それを一人のタキシードを着た男が操っていた。
「姫様、情報によると最近暴れ始めている、ビバによるものだと思われます」
2頭が引っ張っている馬車は高貴な方が乗るっているのか、黒色に塗装され二つの扉に小さな子窓が付いている、その子窓には日差しが入らないようにカーテンで閉められている。
「そう…で、ビバって奴はそんなに悪い奴なのコメルツ」
その馬車のなかには一人のお姫様が乗っている。
「噂によりますと、なかなかの悪者らしいです、今度ばかりは姫様も苦戦するかと…」
その時、姫が乗っているはずの馬車の中から黒い何かが窓から飛び出しコメルツにじわじわと近づく。
「コメルツ?私が今までに盗賊ごときに後れ取ったことがあったかしら?」
「どのようなことでも全力で事にかからなければ、あとで痛い目に会いますよ」
黒い物体はゆっくりと窓に滑るように馬車の中に入って行き、姫の左手で窓が閉められた。
「今回もいい糸が出来るといいわね」
馬車の中で先ほどコメルツに近づいていた何かが、姫の左手にまとわりついた。
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