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周りの景色が変わり始め、馬車の目指す先から煙が立ち上るのが見え始めた、その数は一つだけではなかった。
「もう少しです、そろそろ準備を」
「準備?私に必要な準備はコレ一つだけよ」
そういいながら手元には何も持たないで、自分の着ている服をなでた。
なでたその黒いドレスには左胸に赤い線が十字に入っている、窓は閉められて風も吹いていない馬車の中でその赤い線だけが鼓動しているかのように動いている。
「ドレス完成の為に…ひと仕事よ」
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