第二話~一人の執事と姫様~

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「ギャーハハハ、やれドンドンやれ、ビバ様に殺されたくなかったらさっさと出てきなギャーハハハ……」 「そのビバ様はどこにいるのでしょうか?」 「そりゃあ、あの丘の上…て、誰だ!俺に質問して仕事サボっているのは」 背後から聞こえた声の正体はタキシードに白髪の男、顔にはシワがありただの背の高く背筋が正しい老人だと思い、そんな老人がいつのまにか自分の後ろにいたことに対して、不合理な怒りがこみ上げた。 「爺、さっき後ろをとった時に俺を倒しておくべきだったな……」 「さて、早速向かいましょう」 更に無視して後ろ姿を見せて歩く、幾多の人の首を切ってきた斧を振り上げて、怒りのまま爺を切り刻もうと飛びかかった。 「この爺が!!後悔しながら死ね!!」 「あなたが…」 振り下ろされた斧は爺の服を掠めることなく地面に刺さり、前屈みになる。 「このクチュール家唯一の執事…」 その前屈みになった男の後頭部に。 「コメルツに勝てるとでも思ったのですか?」 殴った位置に戻ってくるほどの重い拳を一撃叩き込んだ。
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