第二話~一人の執事と姫様~

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一撃をもらた盗賊はそのまま地面に倒れた。 「おい!あれを見ろ」 「隊長が爺に倒されてる」 突然の隊長倒しに驚いて、松明を投げ捨てそれぞれの武器を構える。 「爺ごときひねりつぶせ」 「そこを動くなよ…すぐに贈ってやろう、婆さんのとこにな」 ザッと見て十人程、ナイフを見せつけるように右手左手と投げながら近づく人や、武器を引きずりながら出てくる者などなど。 「全員相手にしてては時間がかかってしまう」 コメルツは指を使い口笛を吹いた、どこまでも届きそうな口笛に村の外で待たせてある二頭が動いた。 「なんだ?助けでも呼んでるのか?」 「どっちにしろ爺!テメーはここで貧相な老体さらして倒れるんだよ」 前に出ていた三人がコメルツに襲いかかる、しかし、見事な身のこなしで三人の攻撃を避け続ける、そして。 「いい加減に……」 両手で二人の頭をそれぞれ前から鷲掴み。 「しなさい!!」 地面に叩きつけた。 「この爺が!!」 胴から真っ二つに切断しようと真横から振られた剣は空を切り、しゃがんだ体をバネのように伸ばし、相手の顎めがけて蹴り上げた。 敵の体は老人が蹴り上げたのかと思うほど、綺麗に弧を描きながらまだ燃えている家の中に音を立てて入った。 「怯むな!ドンドン攻めろ!!」 その時、焼け炭になった家や木を問答無用で破壊しながら馬車が到着した。 コメルツは暴走気味の二頭の手綱を走りながら掴み、飛び乗った。 「こっちに来るぞ」
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