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一撃をもらた盗賊はそのまま地面に倒れた。
「おい!あれを見ろ」
「隊長が爺に倒されてる」
突然の隊長倒しに驚いて、松明を投げ捨てそれぞれの武器を構える。
「爺ごときひねりつぶせ」
「そこを動くなよ…すぐに贈ってやろう、婆さんのとこにな」
ザッと見て十人程、ナイフを見せつけるように右手左手と投げながら近づく人や、武器を引きずりながら出てくる者などなど。
「全員相手にしてては時間がかかってしまう」
コメルツは指を使い口笛を吹いた、どこまでも届きそうな口笛に村の外で待たせてある二頭が動いた。
「なんだ?助けでも呼んでるのか?」
「どっちにしろ爺!テメーはここで貧相な老体さらして倒れるんだよ」
前に出ていた三人がコメルツに襲いかかる、しかし、見事な身のこなしで三人の攻撃を避け続ける、そして。
「いい加減に……」
両手で二人の頭をそれぞれ前から鷲掴み。
「しなさい!!」
地面に叩きつけた。
「この爺が!!」
胴から真っ二つに切断しようと真横から振られた剣は空を切り、しゃがんだ体をバネのように伸ばし、相手の顎めがけて蹴り上げた。
敵の体は老人が蹴り上げたのかと思うほど、綺麗に弧を描きながらまだ燃えている家の中に音を立てて入った。
「怯むな!ドンドン攻めろ!!」
その時、焼け炭になった家や木を問答無用で破壊しながら馬車が到着した。
コメルツは暴走気味の二頭の手綱を走りながら掴み、飛び乗った。
「こっちに来るぞ」
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