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「優奈ちゃん♪」 後ろから優奈を呼ぶ声がした。 廊下を歩いている優奈は、声の主が誰なのか分かったので、笑顔で振り向いた。 「真奈美ちゃん。何?どうしたの?」 「昨日うちのママから聞いたんだけど、優奈ちゃん引っ越したんだって!?」 真奈美はそう聞きながら、優奈の左腕に自分の右腕をスルリと絡ませた。 「うん、そうなんだぁ」 と、優奈は数秒間間をおいてから、『ん?』と何かに気付いたみたいで、立ち止まると、 「…ってかぁ、真奈美ちゃんは、何でウチが引っ越したの知ってんの?」 優奈は真奈美を見ると、目を必要以上にパチパチとさせた。 「うちのママが、先週優奈ちゃんのママから聞いたんだって」 「ふ~ん、あ、そうなんだ」 真奈美の母親と優奈の母親は、同い年と言うこともあり、二人が幼稚園に入園した頃から仲良しだから、真奈美の返事は、さして驚くものではなかったので、それに対する優奈の返事も、こんなもんなのだ。 「ねぇ、今日優奈ちゃんちに行ってもいい??」 真奈美が甘えた仕草で強請って来た。 「エェッ!?」 明日とか明後日って言うならまだしも、いきなり今日行きたいと言われても、些か唐突過ぎる。 引っ越しの翌日ともなれば尚更だ。
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