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「今日お邪魔させてもらえたら、場所は遠いみたいですから、しばらくはお邪魔出来ないと思うんで、お願いします!」
真奈美は深々と頭を下げた。
恵里佳は焦った。
(そんな、頭を下げられても…)
「おねえちゃんのおともだち、あそびにくるの?」
後部座席で、チャイルドシートに座っている潤が、恵里佳に聞いてきた。
(…もう!仕方ないわねぇ…!)
「んじゃあ、いいよ…」
真奈美を諦めさせようとした筈が、最終的には恵里佳の方が諦めさせられた。
「ヤッタァ!!おばさんありがとうございます!」
真奈美はまた深々と頭を下げた。
(みんながみんな、そうなのか分からないけど、最近の小学生は手強いわ…)
恵里佳は内心呆れた。
「あ…でも、真奈美ちゃん?今日うちに遊びに来ることを、ママは知ってるの?」
恵里佳の問いに、先程優奈から同じ質問をされた時と違い、
「はい!ママにはちゃんと許可してもらってます。『呉々もご迷惑をお掛けしないようにね!』って言われました」
スラスラと笑顔で答えた。
その変化を、優奈は気付くことはなかった。
(いや、今もう充分迷惑掛けてるから…)
と恵里佳は思いながら、真奈美にバレぬ様に、小さく溜め息を一つついた。
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