君、怖いよ

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「アロマスティックケーキのローズマリー2本下さい!」 【アロマスティックケーキのローズマリー2つ】 えっ?。 BGMにかき消される事なくはっきりとした男の声。 私の浮き足だった声とは違う、ぶっきらぼうな低音が横から聞こえた。 この人も、アロマスティックケーキ、しかもローズマリーを2つ買うんだぁ。 偶然の同じタイミングでの同じ注文に興味深が湧き、チラリ。と横目で確認してみる。 まず、衝撃的に私の目に飛び込んで来たのは、黒のニット帽子。衝撃的と言うには理由がある。 そのニット帽にはスパンコールが無数に付いていてドクロのマークに型どられている。それだけでは衝撃的にはならないはずだけど、その帽子のサイズに違和感を感じる。 だって、帽子、、かなり、、小さいんです。男は頭にピットリとフィットした帽子をきつくかぶっていて、伸びきったニット素材は、水泳帽子みたいにきつそう。私は、思わず笑いたくなったが、他のお客さんの手前、ま顔を保った。笑いたいのをこらえて服装に目をやる。 しかし、またまた。、、、この人のセンスを疑う。いや、この人にはセンスなんて言葉は不要に思えてくる。 証拠にジャケットはオレンジと緑のギンガムチェック。サテン布なのか少し光沢があり、前あきのチャック部分は錆びてるのか、所々が変色している。 私の角度からチラチラ見える背中にも、またドクロのバックプリントが見え隠れしている。 ドクロ好き?そんな予感も働いたが、全く違うテイストのわけのわからないキャラクターのついた靴下が 足首から見えたので、やはり、ただのセンスなしの男と言う判定に結びついた。 どこから履いてきたのかがわからない位にくたびれたスニーカーは 遠い所から歩いてクタクタになったのではなく、数年は洗わず、、、履き替えず、使い古しと言う言葉がピッタリだった。 少し丈の短いズボンが彼のヘンテコ具合を強烈にしていた。 ほんの五秒。それだけの時間で直ぐにわかる。 第一印象とは、即座に決まる。 この人、なんか汚い。
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