君、怖いよ

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私は、このヘンテコ帽子にナンパされたの!? だったら、このシチュエーションは私の人生の汚点だわ。 なんて、最悪なんだろう。 今日は私の誕生日だと言うのに。 頭が混乱しているとヘンテコ帽子は店員さんに言った。 【でわ。この人の会計も僕がしますから。とりあえ箱は別々で。】 私は、男の強引な態度にイラつきを覚えた。 「勝手に決めないで下さい」 私はカッとなり、少し荒い口調で抵抗した。 なんだか、とても不快で、私は、さっきまでの、甘いバニラの匂いに包まれていた幸せな時間を一気に失った。 キラキラと輝いたケーキへの購入欲は、どこかへ飛んでいってしまった。 ヘンテコ帽子の存在が私の怒りのスイッチを【ON】にしてくれた様だ。 「あなたにお会計してもらう義理はありません!!」 私は、回りの視線が集まる事を気にしてなるべく怒りの感情を殺して低めの声で伝えた。 【いいんだって。気にしないで、払わせてよ!!】 ヘンテコ帽子は空気が読めないのか、または、私を逆上させいのか。または、私の怒りを自分がコントロール出来ると勘違いしたのか、ニヤニヤ笑ったまま私に軽くアイコンタクトをしてきた。 気持ち悪い。 私は、ヘンテコ帽子が目配せしてきた時の自信たっぷりな表情にげんなりとして 「もう。いいです。ケーキいらないです。」 と店内さんに悲壮感たっぷりにうなだれて伝え、店を出た。
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