「はじまりのはじまりは終わりでした」

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やれやれと肩を竦めるあたしの髪は、伸ばしっぱなしで手入れしていない。 おかげで胸の辺りまで伸び放題だが、巻いたりだとか染めたりだとか、何もしていないので傷んではいない。いわゆる黒髪ストレート。藍子曰く男ウケナンバーワンは黒髪ストレート!らしいのだが、その恩恵に預かったことなど一度もない。 そういえばさー、と話題が転換する。女という生き物は例外なく突然話題を切り替えるが、藍子の場合はそれが顕著だ。 この時も女子高生が化粧をする話題から、突拍子もない方向へ逸れた。 「六組の荒川サンっていたじゃん?知らない?」 「誰それ」 「いやいたじゃん!けっこう目立つ子!可愛くて明るくて人あたりよくて男にモテモテ!」 「どうでもいいけどお前は男にモテるかどうかで女子を認識してるわけ?」 「そんでその荒川サンがさ!」 「はい無視きたよーお得意の無視きたよー」 「なんかいなくなったんだって!」 それまで適当に会話を繋いでいたあたしは、思わず言葉を無くして藍子を眺める。
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