「はじまりのはじまりは終わりでした」

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※ 秋に差し掛かった九月も終わり。さすがにいよいよ肌寒さが身に堪え出す季節を迎えようとしていた。 女子高生が一際寒さに弱い原因は間違いなくこの短いスカートにあるのだろうが、若いうちは意味もなく露出しろ!という藍子になんとなく逆らえずにいる。 横田が突撃してきた日の放課後だった。あたしはひとりで家路についていた。学校までは家から歩いて約二十五分。別段遠くもなければ、驚く程近いわけでもない。適当な距離。 なので日によって自転車を使ったり、使わなかったりするのだが。 この日はなんとなく徒歩で、なんとなく帰りに寄り道をしようと考えた。 途中二手に分かれる道の、もう一方に進めば我が校の生徒御用達の大型ショッピングモールがある。ふらりとそちらに足が向き、そのまま本でも買おうかとあたしは足を進めていた。 時刻は夕方六時を回ろうとしていた。
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