プロローグ

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机を挟んで向かい合う黒と白。その真ん中に、何かが――誰かが落ちてきた。 悲鳴とも絶叫ともつかない甲高い声をあげながら、机を破壊しようかという勢いで現れたそれは、不自然な格好で机に転がったまま呻き声を上げている。 誰も、何も動けないまま今起こった事柄を理解できずにいた。最初に我に返ったのは、その場にいた誰でもなく、降ってきた当の――女だった。 「ってぇ。あー痛い。乱暴すぎない?こちとら仮にも女だって……あれ?」 腰の辺りを抑えながら起き上がった女は、きょとんとした表情で周囲を見渡す。 「えっと……あれ、ここ、どこ?」
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