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『クロハ....食事中よ。』
アイリスはうんざりした顔でテーブルに肘をつく。
黒い目の先にはクロハが煙草を吸いながら日本の推理小説を読んでいた。
題名には、[たくさんの死体はオムライスの中なう]と云う意味の分からないタイトルが張り付けられている。
『いいじゃないですか。まぁ....マナーがなっていないのは分かっていますけど。』
とクロハは本を閉じて煙草を吸い殻に捨てる。
『人が食事をしている目の前で煙草を吸わないでくださる?』
軽く睨むアイリスはただ幼げを残した可愛さを映し出すだけだった。
『はいはい。分かっていますよ。それより。その顔。誘っているのですか?』
『なに言ってんの。バカ。死になさい。』
とさらりと流す。こんな言葉遊びが彼女たちの日常だった。
『さて....』
アイリスは暗黒のロングドレスをなびかせながら立ち上がる。
彼女が向かった場所はバルコニーだ。
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