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その日もずっとアイリスは森のバルコニーにいた。
『変わらないことが素晴らしいのに。』
彼女の目には残酷さが見え隠れする。
『ただいま戻りましたよー。』
しばらくすると、のんびりした声が後ろから聞こえてきた。
『おかえりなさい。』
アイリスは森に視線を外さず応える。
それに慣れているクロハは真っ赤に汚れた頬をそのままにしたままバルコニーに近づく。
『クロハ。血を。』
振り返らず口にしたアイリス。しかし、アイリスの声はまるで楽しいことが今から起きるような声だった。
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