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社の運命を左右する大事な商談なので、私は夜間なかなか眠れず困りました。
是非共、商談を成立させなければ。
嗚呼。失敗したらどうしよう。
飛行機に間に合う様に起きなければ。
ああ、寝過ごしたらどうしよう。
色々考え込んでしまい、就寝したのが夜中の二時です。
幸か不幸か、私は友人の本市平次さんの、早朝六時のモーニングコールに助けらたのです。
『Do you like scary movie?』
朝六時から「ホラー映画は好きか」と訊かれても困るので「悪戯なら辞めて下さい、因みに好きではありません」と一喝し電話を切りました。
すると間を置かず、再び本市さんか電話を掛けてきました。今度は。
『hello craris』
含み笑いで「やあクラリス」と言われても第一私は『クラリスさん』でも無ければ、収監中の食人精神科医のお目付役にされた研修生でもありません。マニアックなボケを早朝からかまされて私は頭に来たので。
「いい加減にして下さい! 私は今日、大事な商談があるんです!」
と、二喝した所で、大事な会議があった事を思い出し、我に帰ったのです。
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