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僕は昔から、身体が弱かった。
好きなように歩き回ったり、遊んだりも出来ないくらい。
毎日のように病室の天井を見上げては、ため息をついた。
父は僕がまだ9の時に他界し、母が女手一つでずっと育ててくれた。
もう僕だって良い歳だし、働いて母に楽させてやりたい。
だけど、この身体が言う事を聞かない。
何本かの管を巻かれた腕。
元気良く振り回せやしない。
こんな僕は、生きている価値があるのだろうか?
母に言えば、
「何言ってるの!馬鹿な事考えるんじゃないの。あんたは自分の身体だけ考えなさい。
お母さんはあんたが元気になるまで頑張るから、そしたら私と交代してちょうだい」
そう優しく言ってくれた。
自分だって、もう身体がガタガタなくせに。
母のその強さが僕をまた締め付けた。
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