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少女はしばらくの間黙っていたが、こちらを見据えたまま静かに言った。
「やめた方がいい」
「?」
白井は少女が何を言っているのかよく分からなかった。それは私に対しての忠告か?
「もう一度言う。やめた方がいい。それがあなたのためでもあるので」
「私はあなたに先程の奇妙な現場について聞いているのですが」
「あれは私がやった」
聞き間違えかと思った。確かに学園都市は能力開発をしているため路地裏のチンピラを女の子が倒しても不思議ではない。しかし、あの現場は並の能力者では作り出せるはずがなかった。ましてやたった一人ではとうてい無理だ。
とにかくこれは暴力事件だ。白井には犯人確保の義務がある。
「殺人未遂の疑いであなたを拘束します」
しかし、少女は慌てるどころか至って平然としている。
「もう一度だけ。やめた方がいい」
「こちらの指示に従わないと強行策に出ますわよ!」
そういうと白井は少女のすぐ右に「空間移動」した。そして少女を拘束しようとしたところで、
左から少女に蹴り飛ばされた。
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