第1章 康志の見たもの

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俺は、康志。 実は、俺には、小学3年ぐらいから霊が見えるようになったんだ。 小3の頃は、怖くて兄貴に何度も話したけど、全く信じてくれようともしなかったんだ。 そんな、心細くなっていた、俺に話しかけてくれたのは、父さんだった。 だが、父さんの言ってくれた言葉は「お前は、そいうものを信じてはいけないんだ。」という言葉だった。俺は、父さんが味方なのかが、全然理解できなかった。 そして、父さんから「頼みがある」と言われ、1階のリビングへ行った。テーブルには、兄貴と父さんがいた。 俺も椅子に座ると、父さんが重い口を開いて言った。「父さんたちには、3年前に失った、母さんが見えない。だから、無理にとは言わないが、お前に母さんを見つけて欲しい。」という頼みだった。 続けて、兄貴も言った。 「康志。お前だけが頼りになるんだからさ。俺たちからのお願いだ。時間は、どれくらいかかってもいい。母さんを見つけてくれ。」―父さんはうなずいていた俺は、言った。 「俺も母さんに会いたい。だから、必ず見つけ出して見せる。」と父さんと兄貴に伝えた。 ―頼まれてから約2ヶ月。俺は探し続けていたら、母さんらしき霊を見つけ出し、近づいて、話をかけてみると、「はい。」と返事をすると、こっちを見てくれた。顔を確認すると、母さんだった。 母さんはこう言った。 「あら、康志。母さんが見えるの?」と。 俺は答えた。 「ああ。」と、言い少し経って、続けていった。「俺たちのうちに来てほしい」と。 そして、母さんは、困った顔をしながらも、「分かった。明日、蒼鳥(あおどり)公園に10時に来て」と言って、去ってしまった。
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