宮野 和之の失恋。

2/30
前へ
/30ページ
次へ
「見ているだけで幸せなの。」 この言葉を聞いた事がある人間はどれくらいいるだろう。 それは日常生活の中でのひとコマでもドラマや小説など二次世界の中でもいい。 一度くらいは聞いた事があるんじゃないだろうか。 さて聞いたあなたはどう思っただろうか。 俺、宮野 和之(みやの かずゆき)はなんて健気なんだろうと涙ぐんで聞いていた時期があった。 愛しくて仕方ないものを目の前にして見ているだけなんて。 なんて忍耐強い精神を持っているのだろうと感動さえしたかもしれない。 しかしそれは時と場合によるのだと。 その言葉に込められた重みが、 狂気に満ちた行動力になることを 遺憾ながらも実感した。 『彼』と『彼女』によって。 これは俺の恋物語で。 『彼』と『彼女』の恋物語でもある。 なんだかとても堅苦しい前置きになってしまったがなんてことはない。 ″恋″には色々な形があり、 今回語るのは俺の失恋話。 さあさあどうぞ。 慰めなんていらないから、 笑い飛ばしてやってください。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加