第一章 【保健室の死神】

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 昼休み終了を告げるチャイムが鳴る。  私は急いで教室に戻り、自分の机に着席した。次の時間は、HRで前回一向に進まなかった委員会決めを、くじ引きという若干乱雑な手段で決めることになっている。 「委員会とか、やりたくないよねー」  ふいに、左の席の方から声が聞こえた。もちろん、私に向けられた言葉ではない。  声の主は、確か前田さんという噂好きな女子だった。席替えをした時に一度話したきりで、名前が合っているかどうかは定かではない。ただ、よく友人たちと噂話をしているのを耳にする。今回も、近くの席の友人と話しているようだった。 「ねー、特に学級委員とか……」 「あたし、保健委員も嫌だなぁ。変な噂とかあるし」 「変な噂?」 「そう。【保健室の死神】っていうのがいるらしくて」  死神? 「何それ?」 「なんかね、保健室の一番奥にあるベッドって、いつもカーテンが掛かってて使用中らしいの。で、その中には【保健室の死神】がいるらしいのよ。いろいろ噂はあるけど、最終的にはどれも殺されちゃうんだよね……」  なんて、非現実的。友人も半ば信じていないようだ。 「例えば、死神が要求したものを持ってこれないと、頭を潰して殺されるっていうのがあるらしいよ。実際死にかけた人もいるし」 「えー、本当なのー?」 「本当だって!だってその死にかけたのって、同じ部活の人だもん。病院に入院したらしくて、それがちょうど保健室に行った翌日だったんだよ」  
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